2013年3月3日日曜日

インドネシア人から見た日本人・・・

昨日、インドネシア人友だちとゆっくり話をする時間があった。

いろんな話をしたんだけど、その中で、日本人に対するインドネシア人の話になった。


インドネシア人は親日家と言われいてる。日本では・・・の話。
でも、それはほんの表面。
多くのインドネシア人は本当のところ、そういう気持ちの人は少ない。

第二次世界大戦のころ、オランダと手を組んでいた日本は、インドネシアを攻めた。占領した。
インドネシアの独立に、日本が力を貸したと、日本では習う。
インドネシアでも、そのようには習う。
けれど、強いのは「日本がインドネシアを占領していた」という事実。
日本は、長年インドネシアを支配してきたオランダと手を組んで、インドネシアを攻めてきた悪者。
日本に原爆が投下され、インドネシアにいた日本軍は日本に戻った。
日本がインドネシアから撤退した。
だからインドネシアが自由になった。。。悪者がいなくなった。

「なんで日本は今、インドネシアに支援をしているのか?」

戦争体験のあるおじいさんおばあさんがいる家庭では、彼らから当時の話を聞く。
だから、「日本人は良い人」というイメージはない。「悪者」というイメージだけなのだ。
そして、日本がインドネシアを支援するのは、かつての悪さがあったのだから、当然のことだ、と。

私は、「困っている人がそこにいる。私にできることがあるなら、手伝いたい。」それだけだった。
でも、そういう気持ちは、インドネシア人には理解ができないこと。
だから、なんとなく分かった気がした。
配属先のI中学校が、隊員を「うまく使ってやろう」と考える意味が。


活動しているJ中学校の体育の先生。
彼は生徒のことを思って授業をする先生。少し、先生の授業を見せてもらったこともある。
私は別に体育の先生でもないけれど、何か先生の力になれたらなぁと思っていることを話した。
そしたら・・・
その体育の先生は日本人が好きではない・・・と聞かされた。私に対しても、良い感情は持っていないと。
挨拶をすれば笑顔で返してくれる。けれど、その本心は、違う。。。
だから、その先生にかかわらない方が良いと言われた。
その先生は、私がかかわってくるのを望んではいない。私がかかわれば、余計に気分は悪くなる。
海外で仕事経験のあるそのインドネシア人友だちは、国によって歴史の認識が違うことを知っている。
だから、友だちは私にそう言ったんだと思う。

私は話をしていくうちに、涙があふれてきた。
悔しいのか、悲しいのか、不甲斐ないのか、なんなのか分からない。
日本おかしいよ…と、インドネシア人の感情を考えたら、どうにもこうにも表現が涙にしかならなかった。
インドネシア人は優しい。特にジャワ人は、怒りの感情を表に出さない文化がある。心に思うことがあっても、表面上はきれいに接する。
そんな彼らの表の面だけを知る日本人は、とうてい彼らが思っている本当の気持ちは分かっていない。でも、その知った表面だけで、日本はインドネシアとかかわっている。
大きく間違ってる…と私は思った。


日本人は、「インドネシア人は親日家だ」という日本での報道に甘んじてはいけない。
日本が支援しているということを、インドネシア人が本当はどんな気持ちで見ているのか。
本当の気持ちを知り、そしてその気持ちをしっかりくみ取って、かかわっていかなければならない。

日本企業のインドネシア進出は、確かに人件費などコスト面で日本にとって有益だろう。
でもそれは、インドネシアにしてみたら、やり方は違えど、戦争の時と同じで、インドネシアを都合よく使っていると、本心はそんな感情もかなり多くあるんじゃないだろうか。。。
もちろん、インドネシア人の雇用を生み出し、インドネシアの経済発展に寄与するというのはあるだろう。でも、でも・・・
日本人は、本当のインドネシア人の気持ちを知り、しっかりと配慮することを大切にしなければ。


ふだんは、くだらない話をして、どつきあいしたりしてるこのインドネシア人友だち。
けれど、インドネシア人の本当の気持ちを知っていて、外国人の気持ちが違うことも知っているから、インドネシア人に私が傷ついてしまわないようにと守ってくれる。
この友だちと出会えなかったら、私は真のインドネシア人を知らずに、知ったかぶりの恥ずかしい日本人のままだったと思う。。。
そして、社交辞令のインドネシアを、単純に「うわべだけ整えて嫌な感じだ」と思うだけだっただろう。。。
辛いのは私じゃない。日本人への複雑な感情を持ちながら、日本人と接しなければいけないインドネシア人なんだ。


人の本当の気持ちに配慮できる人間になりたいと思った。


2 件のコメント:

  1. 考えさせられました。
    本当に、国際協力って必要なのかな?って思うときがある。
    とくに協力隊って国際協力っていうより、「日本の若者を途上国に派遣していろんな経験をさせて成長させてそれを日本に返す」っていうのが正直メインの目的じゃないかと思う。つまり、結局は日本のため。日本をよりよくするために国際協力というかっこいい看板掲げて途上国を利用しているように思える。本当にお金持ちだからできることやな~といつも思う。でも、途上国の人は優しい。来るもの拒まず。いつも笑顔で関わってくれる。すごいなー。きっと日本人にはこんな対応できないだろうなと思う。

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  2. koppy★へ
    うんうん。協力って、自己満足の押しつけのものではないよね。
    お互いに、ちゃんとお互いの気持ちが分かって、一緒にがんばろうってすることだと私は思うんだ。
    そして、よその国に協力しに行った人が自国に帰った時、その経験が自国の発展にもつながったら幸い、っていうくらい、相手を大切にする気持ちの方が大きくないと。。。
    途上国の人々は、支援を受けられることは歓迎だろうけれど、その裏にある、本当はイヤだけど、と我慢してることもあるはず。私たちはそこに気が付いて、そんな気持ちも受け止め、それに寄り添うことを大切にしないと。
    なんかね、ほんといっぱい考えさせられましたよ。

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